カメラのキタムラが、先月22店舗を閉鎖することを発表しましたが、平成30年3月までに129店舗を閉鎖することを発表しました。
平成29年3月期に81店舗、平成30年3月期に48店舗を閉鎖する計画をしています。
カメラのキタムラに何が起こっているのでしょうか見てみましょう。
目次
カメラのキタムラとは
カメラのキタムラは、昭和9年に高知市で創業した「キタムラ写真機店」から始まり、昭和18年に「株式会社北村商会」が設立し、昭和45年に「株式会社キタムラ」と商号が変更されました。
店舗数は昨年9月末現在で、カメラのキタムラ850店舗、スタジオマリオ397店舗、Apple正規サービスプロバイダ認定店57店舗の合わせて1,304店舗となっています。
また従業員数は9,238人で、そのうち社員が2,223人となり、昨年3月期の売上高は、1,365億4,000万円でした。
カメラのキタムラでは、先月にデジカメやスマホなどのハード部門の売上不振で業績が悪化したことに伴い、18府県の22店舗を閉店することを発表していました。
カメラのキタムラの売上は
平成29年1月の月次売上高は94億600万円ですが、前年同月売上高は108億1,100万円だったので13%の売上減少となっています。
平成28年4月から平成29年1月までの累計売上高は、1,050億770万円で前年同月の累計売上高は、1,173億1,100万円だったので10.4%の売上減少となっています。
売上が減少した要因は
売上が減少した要因としては、売上高の約半分を占めるハード部門が、平成28年熊本地震の影響によりデジタルカメラ等の減産の影響が発生したことや、スマートフォンをめぐる環境の激変によって販売が引き続き低調であったことにより、大幅に売上が落ち込みました。
カメラのキタムラでは、最近はカメラよりスマートフォンの販売に力を入れていて、私が行く店舗では店に入るとまずスマホの展示ブースが置かれていました。
カメラのキタムラならぬスマホのキタムラ状態だったので、スマートフォンの販売にかなり力を入れていたことが伺えます。
カメラのキタムラとしてはスマートフォンの販売を柱の一つとして新たに展開していこうと考えていたのでしょうが、それができなくなってしまいました。
スマートフォンをめぐる環境の激変とは
スマートフォンの売上がカメラのキタムラの経営に影響を与えるほど減少した原因は総務省の携帯電話販売に対する規制にあると考えられます。
これまで携帯電話を販売するときに、携帯キャリアの変わるMNPであれば、機種代金が一括0円になるばかりでなくキャッシュバックがもらえることもありました。
ユーザーは携帯電話を安く購入できて、さらに機種代金の割引を毎月の携帯電話料金から値引きしてもらえ、携帯ショップも携帯電話を1台売るごとに携帯キャリアから報奨金がもらえるので、どちらにとってもかなりお得でした。
その関係を壊したのが総務省の規制で、一括0円や実質0円になる販売をガイドラインによって廃止したため、スマートファンの機種代金は実質値上がりとなり販売台数は減少している状態です。
それにもかかわらず、携帯の大手3キャリアであるドコモ、au、ソフトバンクは利益が大幅に増えています。
携帯電話の料金をろくに下げずに、これまで携帯ショップに渡していた販売促進費を出す必要がなければ利益は増えるだけでしょう。
そのしわ寄せがカメラのキタムラを始めとする携帯ショップの負担となっているのです。
カメラのキタムラのようなデジタルカメラ関連事業を持つ企業でさえこれだけ店舗を閉鎖するのであれば、携帯電話専門のショップはさらに厳しいのではないでしょうか。
カメラのキタムラの今後は
カメラのキタムラで展開してきた事業が今後縮小していく中で収益と成長が見込める分野に経営資源を振り向けることにしています。
今回発表された129店舗の閉鎖についても、店舗の経費節減と店舗あたりの収益を向上させることを目的としていますが、閉鎖する店舗の減損損失など13億円を特別損失として計上しています。
業績予想における純利益の赤字決算、役員報酬の減額や株式配当金の減額のほか、店舗閉鎖に伴う従業員のリストラなども予想され、カメラのキタムラにとってはかなり厳しい経営が迫られます。
まとめ
スマートフォンの販売規制でユーザー、販売店は何も恩恵を受けず、大手携帯キャリアだけが利益増という間違った結果が発生しています。
いくらMVNOが増えたといっても、もとからドコモを使っているほとんどの人はドコモから動くことはあまりありません。
MVNOに移るのは、MNPをしていた携帯電話に詳しい人がほとんどではないでしょうか。
カメラのキタムラはTポイントが使えて、キャリアのiPhoneを購入するのに都合がいいので何とかこの逆境を乗り越えてもらいたいです。
関連記事